みなさま、おはようございます。6代目です。
加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。
タイトル通り、大きいお仏壇を小さいお仏壇へサイズダウンし、
買換えをご検討中のお客様にご来店いただきました。
故人様が生前に「お仏壇のことが気になる」と仰っておられ、
お亡くなりになられてからずっと心の中で気にされていたそうです。
近々、故人様の年忌法要をお迎えになられます。
この機に、故人様の思いを成就しようと思い立たれ、弊社にお越しいただきました。
※年忌法要・・・「ねんきほうよう」と読みます。
「年回法要(ねんかいほうよう)」とも言います。
※年忌法要とは、定められた年に故人様のご供養を行う法要です。
1周忌法要、3回忌法要、7回忌法要などがそうです。
そして、跡を継がれるお子様方を思い、
小さいお仏壇に替えたいという考えも併せ持っておられました。
また、大きいお仏壇は旧自宅でお祀りされており、
現在お住まいの仏間には入らない事情もございました。
「お仏壇を求められるストーリー」
亡き人の悲願を大切に思い、これから先のことも見据えられていました。
ですので、いつものように精一杯ご対応させていただきました。
弊社ショールームでお仏壇をご覧いただき、
最終的にお選びいただきましたのが、上の写真のお仏壇です。
伝統的工芸品「本紫檀厨子仏壇 葡萄唐草」です。
デパート催事の広告用にプロカメラマンに撮影していただきました。
やっぱりというか、当然と言いますか、綺麗です
国の伝統的工芸品産業に指定されています京仏壇・京仏具です。
こちらは唐木で製作されたお仏壇ですので、
「京仏壇」ではなく「京仏具」のカテゴリーに入ります。
下記ブログでも、お話ししております。
新しいお仏壇との出会い その11 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
伝統的工芸品のお仏壇は、木材同士の接合部分に「ホゾ組」が採用されています。
今回お買上げいただきましたお仏壇とは違いますが、
現在製作依頼中のお仏壇に使われるホゾ組の写真を撮影してきました!
<オス側>
<メス側>
「ホゾ組」とは、
接合したい木材に凸部分(オス)と凹部分(メス)を作り、嵌め込み式の接合となります。
オスをメスに差込むのですが、
体重をかけてゴリゴリと押し込みます!
上の写真は、メス側の溝を掘る過程の写真です。
簡単に差込めると抜けやすくなりますので、
ピッタリと接合するように、オスを充てて目印を付けてあります。
木は、時間の経過と共に痩せていきます。
「痩せる」とは、木材に残る水分が乾燥により抜けていき、細くなることです。
ドライフルーツや干物が、天日に干されて縮まる
イメージはこんな感じでしょうか?
つまり、最初から結合部分をしっかりと密着させておかないと、
木痩せで隙間が生じ、緩みがでて、グラグラになってしまいます!
ですので、最初から隙間が出来ないようにピッタリとお作りします。
隙間が無いので、差込むには力が必要となりますので、
「体重をかけてゴリゴリ差込む」という風になるんです!
釘やビスを使う方法もございますが、昔ながらの技法の方が頑丈です。
ホゾ組技法のメリットは、頑丈さ以外にもございます。
ここでお話しを続けたいところですが、
メリットを説明するに相応しい機会まで温めておきます!
だって全部書いてしまうと、ブログネタがなくなりますので
出し惜しみじゃありません!温存です!!(笑)
お仏壇の各所で、この「ホゾ組」技法が使われています。
同じ技法で、伝統的工芸品「本紫檀厨子仏壇 葡萄唐草」も作られています。
釘を使用した接合とは異なり、
伝統工芸士の熟練の技がキラッと光る手技です!
いや、キラッキラッですね
<葡萄唐草>
棚部分には、「葡萄唐草」の彫刻が入っています。
彫刻は、ケヤキ無垢材です。
「たくさんの実をつける」
「蔓が伸びていく」
その様から、縁起の良い柄として古来より使われています。
有名なものでお話ししますと、
奈良県 薬師寺 薬師如来像の台座に、葡萄唐草の柄が使われています。
以上のことをお客様にお話しし、
葡萄唐草が持つ意味、紫檀とケヤキの鮮やかな色のコントラスト、
そして伝統工芸士の熟練技が、ご購入の決め手となりました
納品後の模様です。
お仏間にご安置させていただきました。
上置き仏壇では高さが足りませんので、別台も併せてご用意させていただきました。
別台をご準備しても仏間裏が剥き出しになってしまいます。
そこで、恒例の「仏間用すだれ」を掛けさせていただきました!
隙間隠しと共にお仏間を格調高くエレガントな雰囲気にできました。
お仏壇と同じサイズの段ボール箱をご準備しまして、
お客様宅で仏間用すだれの丈の長さをご相談いたしました。
お客様のご要望で、お仏壇に被るか被らないかのギリギリでお仕立ていたしました
いつもでしたらば、お仏壇の上部に少し被る程の丈でお薦めするのですが、
ギリギリの高さをご所望されましたお客様のご希望を形にいたしました。
かなりの時間を使って、お話合いをされました
「仏間用すだれ」に付いては、下記ブログでもご紹介しております。
仏間用すだれを使って見た目を綺麗にエレガントに! その2 ~引越しを機に~
仏間用すだれを使って見た目を綺麗にエレガントに! その3 ~仏間リフォームを機に~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その12 ~和室に合うお仏壇のデザイン?~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その19 ~年忌法要を機に~
ご本尊様は、木彫りのお仏像、両脇は手書きの掛軸をお選びいただきました。
<左 法然上人>
<右 善導大師>
掛軸は、「絹本(「けんぽん」と読みます)」
つまり、絹の上に仏様が描かれています。
印刷とは異なり、手書きの温もりが感じられますね^^
納品後の仏壇内部の写真を見ていただきますと、阿弥陀様の傍に「柘榴常花」が置かれています。
「柘榴常花」とは、ザクロの実を模した物のことです。
鬼子母神という仏様にお供えするお花なのですが、
形が可愛らしく、お飾りしたいと言われましたので置いております。
<外側:蓮 内側:柘榴>
一般的には蓮の花を置きますが、
お客様からのご希望ということでしたので。。。
ちりめん細工のお花ですので、可愛く見えますね
※必ずお花をご安置する必要はありません。希望される方のみです。
おりん(赤矢印)は、このブログで何度かご紹介させていただきました。
「與五郎りん」(「よごろうりん」と読みます。)
①京都在住の伝統工芸士資格取得者による手作業でお作りしています。
②銅と錫を使った合金「砂張(サハリ)」でお作りしています。
③「おりん」の表面に着色をしています。
④京都府仏具協同組合認定の伝統的工芸品シール付です。
その特徴は、
澄んだ音色と独特のうねりを持った余韻が特徴で心地よい音色を奏でます。
「與五郎りん」に付いては、下記ブログでもご紹介しております。
新しいお仏壇との出会い その5 ~コンパクト家具調(モダン)仏壇~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その19 ~年忌法要を機に~
菩提寺様が遠方にある方へ その2 ~お寺様でお魂入れ、そしてご自身で設置へ~
新しいお仏壇との出会い その18-1 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
新しいお仏壇との出会い その18-2 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
新しいお仏壇との出会い その19-1 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
新しいお仏壇との出会い その19-2 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
新しいお仏壇との出会い その23 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
では改めて、ご覧ください。
仏間用すだれも掛かり、伝統的工芸品と相まって、
とっても素晴らしいものになりました!
商品名:伝統的工芸品「本紫檀厨子仏壇 葡萄唐草」
素 材:台輪全面 本紫檀無垢材
台輪両脇 ウォールナット薄板貼り
戸板 本紫檀無垢材
大戸軸 本紫檀無垢材
彫刻 ケヤキ無垢材淡彩色仕上げ
主芯材:天然合板
塗 り:本漆摺り上げ仕上げ
原産国:京都
サイズ:高さ57cm 幅43cm 奥行36cm
特 典:伝統工芸品証紙シール付
この後、お寺様によりお魂入れとお魂抜きをしていただきました。
大きいお仏壇、とてもじゃないですけど現自宅の仏間には入らないですね
お客様から故人様への想い
お客様からお子様たちへの想い
溢れるほどの想いを形に変えるお仏壇選びのお手伝いが出来て、
とても嬉しく思います。
3度のご来店に、ヒシヒシと伝わるものを感じれました。
素敵なご縁をいただき感謝申し上げます。
<以下、関連ブログです>
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ ~でも、お仏像はそのまま使いたい!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その3 ~自分でお仏壇を運びたい!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その4-1 ~真宗大谷派(東本願寺)で掛軸をいただきたい!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その4-2 ~真宗大谷派(東本願寺)で掛軸をいただきたい!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その5 ~実家から自宅へ・真宗大谷派(東本願寺)授与掛軸~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その6 ~ご本尊様とお位牌は残したい!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その7 ~ご本尊様が入るか心配!?~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その8 ~お位牌を置くスペースを見つけよ!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その9 ~お仏像の再利用と裏書の想い~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その10 ~お仏具をすべて再利用したい~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その11 ~2度目のご縁に感謝~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その12 ~和室に合うお仏壇のデザイン?~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その13 ~お仏像の高さを低くできますか?~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その14 ~ご本尊様とお位牌は残したい! その2~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その15 ~スリムなお仏壇があるんです!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その16 ~お魂入れとお魂抜きは意外な場所で!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その17 ~2度手間ではないですか!?~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その18 ~家具を使ったスペース利用~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その20 ~ご本尊様とお位牌は残したい! その3~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その21 ~戸棚に入るお仏壇~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その22 ~お仏像の高さを低くできますか? その2~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その23 ~何もかもがスケール大きいです!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その24 ~お仏具をすべて再利用したい その2~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その25 ~ご先祖様を一番に!~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その26 ~ご本尊様とお位牌は残したい! その4~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その27 ~お魂入れとお魂抜きは意外な場所で! その2~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その28 ~ご本尊様とお位牌は残したい! その5~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その29 ~お仏具をすべて再利用したい その2~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その30 ~故人様への想いと次世代想う親心 その2~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その31 ~ご本尊様とお仏具は残したい! その6~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その32 ~お仏具をすべて再利用したい その4~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その34 ~ご本尊様とお仏具は残したい! その7~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その35 ~ご本尊様とお位牌は残したい! その8~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その36 ~お仏具をすべて再利用したい その5~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その37 ~お仏具をすべて再利用したい その6~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その38 ~ご本尊様とお位牌は残したい! その9~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その39 ~お仏具をすべて再利用したい その7~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その40 ~お仏具をすべて再利用したい その8~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その41 ~お仏具をすべて再利用したい その9~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その42 ~新しいスタート~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その43 ~お仏具をすべて再利用したい その10~
「お仏壇はいつ買うべきですか?」
お客様から良く質問される内容です。
多くのお客様が持たれている答えは、
「お盆前ですか?」
「お彼岸前ですか?」
良くお聞きするのが、この2つです。
ごく稀に「年末に揃えて、お正月を迎えるべきですか?」
こんなご意見をお持ちのお客様もおられます。
どれが正しいのか答えを求められるわけですが、どれもが正解だと思います。
※これは私の主観です。
この質問に対する私の答えは、
「思い立ったが吉日です。」
と、お答えさせていただいています。
時期としては、お盆やお彼岸が相応しく思えてしまいますが、
お仏壇は、「ご先祖様や故人とお話をする場所」であったり、「住む家」などとも言われます。
お仏壇をご用意することは、ご先祖様や故人に対しての尊い行いだと思います。
ですので、残された者が「今だ!」って思われた時が、「その時」だと考えています。
このブログで取り上げさせていただきましたお客様のほとんどが、
ご家族にご不幸があってからお仏壇をお求めになられています。
ご不幸が起こってすぐにご準備される方
少し時間をあけてからご準備される方
今回のお客様のように、年忌法要に合わせてご準備される方
お盆やお彼岸などにとらわれず、
思い立ったが吉日で動かれていると思います。
もし、「お仏壇を準備しよう!」と思い立たれましたならば、
その時は加茂定仏壇店へ足を運んでいただければ幸いです。
初めて購入の方、2回目の購入の方、
お仏壇を大きくするのか?小さくするのか?
どこにお仏壇を置いたらよいの?
お客様のすべてのご不明な点にお応えさせていただきます。
ご不明な点などございましたらばお問い合わせください。
些細なことでも構いませんので何なりとお問い合わせください。
【お問い合わせ先】
ホームページからのお問い合わせはこちらからお願いいたします。
直通メールアドレス 0883@d2.dion.ne.jp からもお問い合わせいただけます。
※返信にお時間がかかる場合もございます。
さて、先月26日の夜に京都に戻って参りました。
お陰様を持ちまして、病気・ケガ・事故なく終えられました。
申込時と比べて、コロナ感染者数が急速に伸びていました。
正直、販売の機会を得られた嬉しさと、感染するんじゃないかという不安に板挟みの日々でした
除菌・滅菌は言うまでもなく、うがい・手洗いも徹底して行っておりました。
毎日着る服装に、除菌スプレーをかけて出勤し、
白シャツの胸ポケットにも、空間除菌のスティックを付けていました。
会期中は毎朝検温をして自身の体調を管理していたのですが、
帰京後も続けておりました^^
京都に戻り、2週間が過ぎました。
催事前と変わらず元気な体調です!
さあ、仕切りなおして頑張りたいと思います。
本日も皆様にとって、良き一日となりますように^^
本ブログの納品は、東京出発前のお話しです。
合掌
#京都 #kyoto #京仏壇 #京仏具 #仏壇 #仏具 #寺院用具 #加茂定
#上置き仏壇 #上置き #伝統型 #コンパクト仏壇
#仏間用すだれ #與五郎りん #絹本掛軸 #浄土宗 #本紫檀
#仏壇のある暮らし #仏壇のある部屋 #1家に1仏壇