礼盤用畳の修理

みなさま、おはようございます。6代目です。

加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

 

タイトルの「礼盤」とは、住職様が座られる台のことを言います。

私は昔から「ライハン」と呼んでいます。

ところで、昔とは名古屋での修業時代、つまり20年以上前です。

登高座_その1.jpg

礼盤ってどんな物?

ということで、登高座と呼ばれるお寺様で使われる仏具で説明します。

※「登高座」・・・「とうこうざ」と読みます。

この写真は、名古屋時代に組み立てた登高座です。

登高座_その2.jpg

青矢印が礼盤という物でして、この上に畳を置き、住職様が座られてお経を読まれます。

矢印以外の物にも個別の呼称があり、これら一式を総称して登高座といいます。

今日は、礼盤以外の呼称に付いては控えさせていただきます。

 

 

 

写真撮影時は、まだ畳が出来上がっていない時に撮りました。

※写真以外にも、住職様が座られる仏具もございます。

 最近では、椅子を使用されることもございます。

登高座_その3.jpg

形は異なりますが、上の写真も礼盤です。

今度は畳が載っていますよね♬

こちらの写真も名古屋時代の物です。今から19年前です!

登高座_その4.jpg

「礼盤用畳」とは、住職様が座られる畳のことを指します。

この度のお話しは、この畳の修理についてになります。

 

 

 

ちなみに、昨年も礼盤のお話をいたしました。

お寺様用「大黒天像用箱礼盤(仏台)」をご下命いただきました!

こちらは、仏像を置く台として礼盤を紹介しましたね。

前置きが長くなりました(汗)

本題に入ります!

既存畳_その1.jpg

引取ってきました畳の写真です。

畳縁がめくれ、畳の土台となる藁がモロに見えています。

畳縁に比べ、畳表は比較的傷みが見当たりません。

これは、目線の高さを調節するために、座布団を敷かれていたためです。

 

 

 

この上に座られて、これまでに何回お経を読まれたのでしょうね?

多くの方が読経のご加護を受けられてこられたのだなぁ

と、連想させてくれます。

既存畳_その2.jpg

違う箇所の写真です。

さらに剥き出しになっていますsweat01

既存畳_その3.jpg

畳縁が、豪快に破れていますsweat01sweat01

既存畳_その4.jpg

角部分も傷みが激しいですsweat01sweat01sweat01

 

 

 

職人さんに既存品を確認していただいたところ、

藁部分は再利用して畳表と畳縁を新調交換する修理方法を提案いたしました。

 

 

 

「藁部分の土台」という表現を使いましたが、本来は「畳床」と申します。

畳床は大きな痛みが無かったことが、ラッキーでした。

畳床を新調する必要が無いので、予算を抑えられる効果も得られましたup

 

 

 

修理の基本方針がでましたので、畳縁の柄選びへと進めます。

繧繝縁.jpg

既存の畳縁は、「繧繝縁」という柄になります。

「繧繝縁」・・・「うんげんべり」と読みます。

畳縁の中で、最も格の高い紋縁です。

 

 

 

同じ柄を踏襲しようかな?

ということを考えられましたが、先ほども申しましたが座布団を敷かれます。

 

 

 

せっかく修理したのに、隠れるのでは勿体ない。。。

他の柄に変えようということになり、

茶紋縁.jpg

高麗縁と呼ばれる縁の1種で、茶中紋を選ばれました。

白紋縁.jpg

上の写真も高麗縁と呼ばれる縁の1種で、色違いになります。

白中紋縁と言いますが、お寺で使われている畳で良く見かけますよね。

私は仕事上お寺に行く機会がありますので良く見ますが、

普通は見かけないかもしれませんね。

 

 

 

「隠れてしまう」という面もありますが、

「繧繝縁」より「高麗縁」の方がリーズナブルなんです。

これも決め手でしたね♬

 

 

 

「繧繝縁」も「高麗縁」にも、どちらもたくさんの種類がございます。

すべての柄を載せませんが、見本帳にはワクワクするほど多種多様にございます。

お店にお越しいただけましたら、質感も含めてご確認いただけます。

ご希望の柄が、きっと見つかると思いますよ!?

※見本帳をお渡しすることは出来ません。1冊しかありませんので。

 

 

 

では、修理後をご覧いただきましょう♬

修理後畳_その1.jpg

蘇りました!

サイズは、76cm角 厚さ10cm 紋縁巾4cmです。

修理後畳_その2.jpg

綺麗ですね。

修理後畳_その3.jpg

紋1個の大きさは、直径4cmあります。

2個半の紋が出ていますので、暑さ10cmということです。

直径5.5cmと直径3cmの紋もございますが、

紋の出方を考慮しまして直径4cmを選んでおります。

修理後畳_その4.jpg

角もカッチリとしています。

 

 

 

納めさせていただいた翌日に、お詣りのご予約がありました。

直前に納められることが出来て、一安心ですshine

 

 

 

礼盤の上に畳をセットしましたが、現場は撮影しておりません。

滅多に人が出入りできない清浄な場所ですので。。。

撮影自粛ですsweat01

 

 

 

後日、ご住職様とお会いする機会があり、

「タイミングよく持って来てくれてありがとう♬」

と、仰っていただけました。

嬉しいですねhappy01

 

 

 

今後も多くの方がお詣りに来られると思いますが、

全ての方にご加護が舞い込むことを願います。

そして、短い期間の中で仕上げていただきました職人さんに感謝です。

ありがとうございました。

 

 

 

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この度のご縁、誠にありがとうございました。

 

 

 

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さて、日没も随分と早くなり、朝晩は過ごしやすくなってきましたね。

クーラーをつけずに寝れる日が増えてきました!

扇風機は、つけていますけど(笑)

 

 

 

だんだんと聞こえてくる秋の足音を感じます。

季節の変わり目になりますので、みなさん体調管理にお気を付けくださいね。

 

 

 

また、「今年最強」と言われる台風11号が発生しています。

十分にお気を付けてくださいね。

それでは、みなさまにとって今週も良き1週間となりますように。

合掌

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