みなさま、おはようございます。6代目です。
加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。
前回ブログで告知した通り、
本ブログは瓔珞の繋ぎ直し 第3弾です。
前回の四角人天蓋・八角人天蓋の瓔珞納品が昨年の7月でした。
8月・9月は、お盆の法要や秋彼岸法要などが執り行われるため、
10月に引取りをさせていただきました。
<向かって左側>
<向かって右側>
「幢幡」と言えば、「金箔押し」にされていることが多いのですが、
この度の幢幡は、「彩色」が施されています。
落ち着いた見た目が、格好良いですね♬
幢幡の全長は、約240cmあります。
それでは、瓔珞を見ていきましょう!
<瓔珞断裂 1ヶ所目>
赤矢印部分のように瓔珞が1つだけしか残っていない所がありました。
既存の瓔珞は針金で繋がれていたのですが、下に続く瓔珞の重みか針金の経年劣化で切れています。
残念ながら落下した瓔珞を紛失されていましたので、不足分を新調することになります。
<瓔珞断裂 2ヶ所目>
他所の部分でも、切れている箇所があります。
こちらは切れた先の部分が残っていましたが、
落下の衝撃で瓔珞が割れています。
さらに、瓔珞最後尾の風鐸は、木地が欠落しています。
<「丸に蔦」紋入り瓔珞>
上の写真は、今回の瓔珞の中で注目すべき箇所です
瓔珞の途中に、蔦紋が入っています
「紋」入りは、なかなかのレアケースです
<紋入り瓔珞の木地割れ>
1ヶ所ですが、輪っか部分が折れています。
メインのご依頼内容はステンレス線を使った繋ぎ直しですが、
① 不足分の瓔珞新調(瓔珞断裂 1ヶ所目の写真参照)
② 瓔珞の割れ、風鐸の欠落を修理(瓔珞断裂 2ヶ所目の写真参照)
③ 紋入り瓔珞の木地割れ修理(紋入り瓔珞の木地割れ写真参照)
上記3点もご依頼内容に加わります。
昨年10月にお預かりして、同年の12月に納品の予定でした。
しかし、ご記憶されている方もおられると思いますが、
昨年末は新型コロナウイルス感染症の第3波の到来でした
結局、2021年1月14日から2度目の緊急事態宣言が発令されました
本来は、瓔珞を納めてお正月をお迎えしていただきたかったのですが、
安全を考慮して延期にいたしました。
コロナの脅威を防ぐためには、致し方ないことでした。
年が明けて本年2021年3月、春彼岸前に念願の納品となりました。
とは言いましても、やはり大いに悩んだ末の決行でした
それでは、修理後を張り切ってご紹介いたします!!!
注目すべき「蔦紋」の瓔珞に関わる①のお話しをご紹介します。
②と③は省きますが、しっかり修理させていただきましたこと、先にご報告しておきます。
上の写真は、「瓔珞断裂 1ヶ所目の写真」の繋ぎ直し後の写真です。
私の脇汗がお見苦しいですが、お許しください。
<新調瓔珞 木地>
<既存瓔珞>
新しい瓔珞は、既存の瓔珞の形状と、ほぼほぼ近いですよね♬
<新調瓔珞 箔押し後>
仕上がりの瓔珞です。
とても眩いですね^^
ここで、「なんかおかしいぞ??」
って気付いた方は、おられないでしょうか?
新調する瓔珞の部分の写真を、もう一度ご覧ください。
よ~~~く、見てください。
新規作成するのは、赤矢印より下に繋がる瓔珞です。
すなわち、黄色の矢印の瓔珞を作るわけです。
この瓔珞の形状を、「三枠瓔珞」と言います。
<赤:三枠瓔珞 青:四枠瓔珞>
上の写真をご覧ください。
赤矢印が「三枠瓔珞」
青矢印が「四枠瓔珞」
瓔珞の形状は、前回ブログでお話しいたしましたよね^^
新調したのは「四枠瓔珞」です。
どういうことかと申しますと、
「三枠瓔珞」で始まる組合せもあったんです!
上の写真を見ていただくと、お分かりになると思います。
赤矢印が「三枠瓔珞」で始まる組合せ
青矢印が「四枠瓔珞」で始まる組合せ
この三枠瓔珞で始まる先頭の三枠瓔珞を欠落場所に移動させて、
移動させた三枠瓔珞の箇所に新しい四枠瓔珞を嵌め込んだのです。
文字でお伝えするのが難しいので、下の図を見てください。
上手く書けなくてすみません。
<修理前の瓔珞配置図>
三枠瓔珞で始まる組合せの先頭瓔珞を、「無」の所へ移動させます。
また、先ほど破損していました瓔珞の箇所にも移動させます。(紫色の3)
<瓔珞移動後の配置図>
先頭の三枠瓔珞を計6個(点線の四角)、移動させました。
移動後の配置図が上の写真です。
<新調紋瓔珞 木地 その1>
<新調紋瓔珞 木地 その2>
<既存紋瓔珞>
<新調紋瓔珞 箔押し後 その1>
<新調紋瓔珞 箔押し後 その2>
紋瓔珞は新調です。
風鐸も同様に新調して、「無」の部分に入れ込みます。
空白になっている箇所(点線の四角)に新しい四枠瓔珞を6個入れ込み、
<修理後の瓔珞配置図>
すべての瓔珞の繋ぎ直しが終了となります。
取付け開始です。
また、脇汗が見えますが、お気になさらないでください。
一生懸命に作業している証と思ってください(笑)
<待機中の瓔珞>
梯子を乗り降りして、引っ掛けていきます。
新調した風鐸も良い感じです♬(写真左下)
幢幡の一番下にも瓔珞が掛かっているのですが、
こちらもすべてステンレス線で繋ぎ直しさせていただきました。
<向かって左側>
※後ろから撮影
<向かって右側>
※後ろから撮影
取付け終了後の写真です。
脇汗が滲むだけでは済まされないぐらい、ドップリ汗をかきました
3月とは言え比較的暖かい日でしたので、気候も良く、気持ちよく納品することができました♬
瓔珞の繋ぎ直しシリーズ全3回、これにて完結です!
すべてステンレス線を使い、お繋ぎ仕直しました。
ステンレスは、軽くて丈夫、しかも錆にくい合金です。
※ステンレス線は、糸や針金よりご予算がかかります。
天井から吊り下げられる仏具は、瓔珞が付くことが大半です。
瓔珞の全長に差はありますが、ほぼ付いているでしょう。
そして、瓔珞を繋ぐ線は、糸や針金が使われていることが多いです。
過去2回のブログと重複になりますが、
上の位置にある瓔珞は、下の瓔珞の重さの負担がどうしてもかかってしまいます。
重さの負荷はもちろんのこと、繋ぐ線の経年劣化で耐久性が無くなり切れる。
という可能性を含んでいます。
現実問題、すでに切れている!
もうすぐ切れるかも!!
そのようなご不安をお持ちでしたらば、一度お問い合わせくださいませ。
本堂に掛かっている瓔珞の線をご覧くださいませ。
・糸で繋がれているならば、糸が綻びはじめていませんか?
・針金で繋がれているならば、腐食や錆がでていませんか?
また、すでに瓔珞が切れていて、
・落ちた衝撃で瓔珞が破損している。
・いつの間にか落ちた瓔珞を紛失した。
というようなことで、お困りではございませんか?
等々、すでに問題を抱えていらっしゃるご寺院様がおられましたらば、
一緒に対応策をお考えさせていただきます。
些細なことでもかまいませんので何なりとお問い合わせください。
【お問い合わせ先】
ホームページからのお問い合わせはこちらからお願いいたします。
直通メールアドレス 0883@d2.dion.ne.jp からもご利用いただけます。
※返信にお時間がかかる場合もございます。
<以下、関連ブログです>
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3回もお仕事をさせていただきまして、感謝の念で一杯です。
この度の御縁、誠にありがとうございました。
さて、
さて、
さて!
今回のブログで200回目の投稿となりました!!!
2018年8月10日から書き始めましたが、
なんとかかんとか継続することが出来ました。
これまで本当にたくさんの方々に拝読していただけました。
皆様に支えられて、今の現状が保たれています。
そして、各ブログの最後尾に「いいね」ボタンがあるのですが、
これまで「ポチッ」と押していただいた皆様、本当にありがとうございました。
凄く励みになりました
そして、そして、ブログをご覧いただきお問い合わせをいただいた皆様、
ブログを書くモチベーションが、さらに上がりました
ありがとうございました。
さらに、厳しくも優しく?フォローしてくれたブログの先生に、
最大限の感謝を申し上げます。
書き始めてから2年10ヶ月経ちましたが、
これからも頓挫することなく継続していきたいと思います。
第1回のブログで書きましたが、
お客様とのコミュニケーションを大切に、素直な心で今後も向き合いたいと思います。
その模様を、引き続きブログでご紹介していきたいと思います。
繰り返しになりますが、
多くの方にご覧いただき、誠にありがとうございます。
継続してこれたのも、皆様のおかげでございます。
これからも分かりやすく発信していきますので、
加茂定仏壇店と加茂定ブログを末永くよろしくお願いいたします。
合掌
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