みなさま、おはようございます。6代目です。
加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。
2019年12月に「幢幡用瓔珞」の繋ぎ直しをブログでアップいたしました。
その時の模様は、下記ブログをご覧ください。
お寺様用「瓔珞」の繋ぎ直しをご下命いただきました! ~幢幡編~
納品後にご住職様から、
「次は人天蓋の瓔珞を繋ぎ直してほしい。」
と、ご依頼いただきました。
「人天蓋」とは、どういうものか?
「人天蓋」は、「ニンテンガイ」と読みます。
以前に、「仏天蓋」のお話しをしました。
「仏天蓋」は、「ブッテンガイ」と読みます。
お寺様用「白幕」「仏天蓋」をご下命いただきました! ~事前調査が注目ポイント♬~
「仏天蓋とは、仏像の上にかざす荘厳具」とお話ししました。
「人天蓋」は、人の頭上にかざすもの
すなわち、本堂でご住職様が座られる場所の天井から吊り下げる仏具です。
整理しますと、
「仏天蓋」は、仏像の頭上にかざす荘厳具
「人天蓋」は、ご住職様の頭上にかざす荘厳具
ということになります。
上の写真は、幢幡瓔珞の繋ぎ直しを納めた時の写真です。
赤矢印の部分が「人天蓋」になり、これに取付けられている瓔珞を繋ぎ直しいたします。
ちなみに、四角形をしていますので、「四角人天蓋」と呼びます。
1辺が120cmあります。
瓔珞に近づいて見てみましょう。
高さ21cmの瓔珞が、全部で4つ繋がっています!!
脚立から撮影していますが、畳までの距離感を想像してみてください。
足がすくんでしまいそうな高さですよね(汗)
風鐸が瓔珞の先端になり、瓔珞1本の全長が約155cmになります!!!
瓔珞を取り外している時の写真です。
私の体と比較していただくと、瓔珞の大きさを実感していただけると思います。
無事に、取り下げ完了です^^
地に足が付いていると、ホッとします(笑)
間近で見ますと、本当に大きく、ズシンと感じる重量があります!
この「瓔珞」の形状ですが、
上から覗き込みますと、中心から4方向に角が出ているように見えます。
※①~④の部分です。
このような形状の物を、「四枠瓔珞」と呼びます。
「四枠瓔珞」は、「よつわく ようらく」と読みます。
また、中心から3方向に伸びるパターンもありまして、
この場合は「三枠瓔珞」と呼びます。
「三枠瓔珞」は、「みつわく ようらく」と読みます。
瓔珞1組の全体像ですが、
四枠瓔珞に三枠瓔珞がぶら下がり、三枠瓔珞には平枠瓔珞がぶら下がります。
鼻の穴に似た瓔珞を、「平枠瓔珞」と呼びます。
「平枠瓔珞」は、「ひらわく ようらく」と読みます。
四枠瓔珞を親(高さ21cm)
三枠瓔珞を子(高さ10.5cm)
平枠瓔珞を孫
と例えると、親子3世代とも言えますね♬
この塊が4つ繋がっていますので、1本でも重量感が凄いんです!
それぞれの材質は、木製で出来ております。
近年ではプラスチック製の瓔珞もございますので、
1つ1つ手で作られたことを想像しますと、手間が掛けられたお仕事といえましょう。
「バレン板」と呼ばれる部分には、平枠瓔珞も取り付けられています。
四方をぐるり一周に渡り、ぶら下げられています。
こちらも同じように繋ぎ直しいたします。
繋ぎ直しに使う紐ですが、今回もステンレス線を使います。
ステンレスは、軽くて丈夫、しかも錆にくい合金です。
※ステンレス線は、糸や針金よりご予算がかかります。
ステンレスを英語表記しますと、「 Stainless steel 」です。
Stain・・・錆び
less ・・・もっと少なく
steel・・・鋼
インターネットで調べますと、「錆が少ない鋼」として説明されています。
人天蓋にぶら下がっている瓔珞は、切れている箇所はありませんでした。
※一部、平枠瓔珞に切れている箇所はありました。
上の位置にある瓔珞は、下の瓔珞の重さの負担がどうしてもかかってしまいます。
今回の場合、瓔珞1つが大きく重さもあるため、上部の瓔珞には大きな負荷がかかってしまいます。
現状切れてはいませんが、「いつかは切れるかも!!」という懸念は付きまといます。
瓔珞が切れるのは、元の線が経年劣化で弱まり切れやすくなるのが主たる原因です。
瓔珞の繋ぎには、針金が使われていました。
針金が腐食し、金属耐性が弱まることや錆で切れることが起こります。
※新品で買われる場合は、用途に応じて糸や針金で繋がれていることが多いです。
未来の不安を取り除くために、修理のご依頼をいただきました。
ステンレスは重さ対策にも効果がありますので、安心を届けてくれると思います!
取付け後の写真です。
埃を落とし、水洗いを行っております。
照明に当たり、瓔珞がキラキラと輝いています!
繋ぎ直した瓔珞です!
改めて、その大きさを実感していただけると思います!
<ステンレス線繋ぎ その1>
<ステンレス線繋ぎ その2>
ステンレス線でしっかりと繋げています。
<ステンレス線繋ぎ その3>
バレン板下の平枠瓔珞も、同様に繋げてあります。
続きまして、「八角人天蓋」です。
四角人天蓋の左隣で、吊るされています。
こちらは、風鐸のみがぶら下がる仕様です。
赤矢印部分が1つ切れ落ちていますので、廻りの風鐸も同様に落ちる可能性が考えられますね。
風鐸の大きさは、高さ約20cmあります。
間近で見ますと、立派に感じます!
バレン板には、鈴が付いています。
2個行方不明になっていましたので、こちらは新調します。
※赤指差し部分です。
「風鐸」「鈴」ともに、こちらもステンレス線で繋ぎ直します。
納品後です。
不足分も補充され、元通りになりました
<ステンレス線繋ぎ その4>
<ステンレス線繋ぎ その5>
バッチリですね
前回の幢幡瓔珞と比較しますと、
「切れていない」状態の瓔珞が大部分を占めていました。
しかし、「いつかは切れるかも!?」という不安を払拭するため、
この度のご依頼となりました。
このまま放置しておけば、いつかは切れるかも??
こんなご不安をお持ちのご寺院様。
また、現在の瓔珞が、
・切れている。
・落ちて割れている。
等々、すでに問題を抱えていらっしゃるご寺院様がおられましたらば、一度お問い合わせくださいませ。
一緒に、対応策をお考えさせていただきます。
些細なことでもかまいませんので何なりとお問い合わせください。
【お問い合わせ先】
ホームページからのお問い合わせはこちらからお願いいたします。
直通メールアドレス 0883@d2.dion.ne.jp からもご利用いただけます。
※返信にお時間がかかる場合もございます。
<以下、関連ブログです>
お寺様用「常花」の修理と「花立・火立」の新調をご下命いただきました!
お寺様用「瓔珞」の繋ぎ直しをご下命いただきました! ~幢幡編~
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お寺様用「瓔珞」の繋ぎ直しをご下命いただきました! ~幢幡編 その2~
上で掲載した写真ですが、私は半袖を着ています。
納品しましたのは、実は昨年の7月のことでした
納品後、こちらの幢幡瓔珞も繋ぎ直しのご下命をいただきました!
嬉しいです
こちらの納品が今年の3月でしたので、
連続でブログにアップしようと熟成させておきました(笑)
次回は、こちらの瓔珞繋ぎ直しのお話しです。
第3弾として、乞うご期待ください!!
そして、3回続けてご依頼いただきましたご住職様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。
この度のご縁、誠にありがとうございました。
さて、先日のことなのですが、
大好きな先輩から「元気してるか?」と連絡をいただきました♬
いや~~~、嬉しかったです
こんなご時勢ですが、私は元気に過ごしております!
SNSでしか先輩の近況を知ることは出来ませんが、
新規開店や新商品の発表など、アグレッシブに行動されています。
「僕も同じように頑張る!!」
とは、恐れ多くて言えませんが、ご連絡をいただけたことでパワーをいただけました
しかも!
しかもですよ!!
コロナが明けたら、ご飯に連れて行ってもらう約束をしていただけました^^
今から待ち遠しくて、楽しみです♬♬
コロナの事態は、悪化の一途です。。。
早くおさまってくれ~~~~(-_-メ)
と、願いながら一日一日を大切に過ごしたいと思います。
みなさんは、大好きなお友達とご連絡は取られていますか?
私は連絡を受けた方でしたが、本当に嬉しかったです
友達も少なくなってきたので、私から聞く機会は減りました(泣)
大切な方に連絡を取ってみることは、
テンションが上がるきっかけになるかもしれません。
不安な毎日を過ごす身としては、心身共に癒されました!
そんな素敵な時間を、是非過ごしてみてくださいね。
合掌
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