みなさま、おはようございます。6代目です。
加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。
おりんを求めて県外からお越しいただきました。
京都には頻繁にお越しになられているらしく、弊社の前を何度か通られていたそうです。
「これもご縁かな!?」と思っていただけたそうで、
弊社の暖簾をくぐっていただけました。
ありがとうございます。
昔ながらのデザイン、今時のデザイン
おりんの音色を聞いていただきながら、色々とご覧いただきました。
その中で、「昔ながらの技法で作られた物」に大変興味を持っておられることを教えていただきました。
京都で作られるそのタイプのおりんの話をいたしましたら、
とても興味を示していただきました。
過去に京都の「おりん」は幾度となくお話ししております。
大部分は「與五郎りん」となりますが、「勘三郎りん」のお話しもしましたよね。
どちらも京都を代表するおりんです。
<與五郎りんは下記ブログをご覧ください>
新しいお仏壇との出会い その5 ~コンパクト家具調(モダン)仏壇~
大きいお仏壇から小さいお仏壇へ その19 ~年忌法要を機に~
菩提寺様が遠方にある方へ その2 ~お寺様でお魂入れ、そしてご自身で設置へ~
新しいお仏壇との出会い その18-1 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
新しいお仏壇との出会い その18-2 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
新しいお仏壇との出会い その19-1 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
新しいお仏壇との出会い その19-2 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
新しいお仏壇との出会い その23 ~伝統型(クラシックタイプ)仏壇~
<勘三郎りんは下記ブログをご覧ください>
新しいお仏壇との出会い その9 ~コンパクト家具調(モダン)仏壇~
これら2種のおりんは、
銅を主原料にして錫などで調合された「砂張(サハリ)」という鳴り地金で作られています。
作ると言いましても、簡単に出来上がる訳でもありません。
気が遠くなるような手作業の連続で、手間暇惜しまず時間を掛けて作られます。
その過程を見ていただける写真を持っております。
勝手に披露する訳にはいきませんのでブログには掲載しませんが、
私のお話ししていることが「ホンマや~~」と、ご納得いただけると思います。
お店にお越しいただければ、お客様に頼まれなくても自分から出して説明しています(笑)
必ず見れますので、お時間ある方はお付き合い下さいませ
時間と労力に加え長年の経験に裏打ちされた技術と魂が籠められたおりんを、
ブログ上では、説明の「文言」と写真の「視覚」としてはお見せ出来ます。
「文言」や「視覚」は、伝える手段として大事なファクターですからね。
しかし、何と言いましても「音色」が、おりんの最も大事な要素ではないかと考えています。
「どんな音がするんだろう??」
おりんへの興味はこの部分、つまり「聴覚」に意識が向きますからね
「すごく綺麗な音色なんです!」
残念ながら、文字でしか表現できないのが口惜しいですが、
本当に、本当に素晴らしい音色をしております。
音色だけでなく、余韻も抜群に長く続くことも付け加えておきます。
この度、ご紹介しますのは初登場のおりんです。
業界の先輩でもあり、異業種団体でも先輩後輩の関係で、
現在も懇意にしていただいている方の工房のおりんです。
かれこれ15年ぐらいでしょうか??
大変お世話になっている方です♬
先輩の工房では、おりんだけでなく寺院仏具・在家用仏具など、
金属製品のあらゆる物を作られています。
この度、お客様のハートを射抜いてくれましたおりんが、
先輩のところで作られている物になります。
「逸鳳りん くすべ仕上げ」です。
真っ黒のおりんです
音色もさることながら、ブラックがとても格好良いんです!!
この黒色ですが、おりんを燻して黒く仕上げられております。
燻すために使われる材料は、葉です
どんな葉っぱを使用するかは聞いておりますが、あえて伏せさせていただきます。
先輩は優しいんですけど、勝手に書いて後でゲンコツを浴びるのも嫌なので(笑)
春に芽を出した青々とした葉っぱを刈り取り、
日陰で数か月乾燥させ、枯れ葉にします。
枯れ葉までに掛かる時間は、半年だそうです。
下準備だけでも、相当の時間と労力を要します
先輩曰く、
「もうそろそろ取りに行く時期やなぁ」
と、遠くを見ながら言われていました。
きっと大変なんでしょうね(汗)
この枯れ葉に火をつけ、立ち上る煙におりんをじっくりと当て、燻していきます。
内側と外側をまんべんなく燻し、均一に色が着くように気の抜けない作業だそうです!
写真はイメージです。
煙に含まれる葉っぱの油分が、おりんの表面を奥深い燻色へと変化していきます。
燻される前は上の写真のようなシルバー色ですが、これが黒くなっていくんです。
金属の輝きを黒みがからせた色、黒く煤けた色と言うべきでしょうか??
肉眼で見ますと真っ黒に見えるのですが、
カメラの角度を変えて写すと地金の色が出ていますよね!?
アイフォンを持った私が綺麗に映り込んでいます(笑)
ここまで綺麗に映り込むのには、着色作業の前に鏡面になるまで磨き上げをしっかりされているからです。
鏡面とは、文字通り鏡のように鮮明に映るほど磨かれた作業と言うことです。
「手間暇かけて作られる」とは、
まさしく見えない部分の工程を妥協なく進められているということを指し示しています。
こういう部分をたくさんの人に知ってほしいですね。
再び先輩曰く、
「燻すのにすごく時間かかるから、1日に5個が限度やわ」
「でもな、煙に包まれてるのを見てると、何とも幻想的やねん」
「それとな、自然の材料を使っているからエコやねん」
「持続可能な社会に貢献や!『SDGS』ちゅーことや」
正真正銘の「THE 伝統技法」です!!!
京都府仏具協同組合認定の伝統的工芸品であることは言うまでもありません。
お布団とりん棒は、正絹が使われています。
「古代小華模様」という柄で、品の良い柄です。
同じ柄ですので統一感も出て良い感じですよね♬
音色は綺麗で、余韻はとても長いです。
前半でも書きましたが、ここでお聞かせすることはできません。
でも、本当に良いんです!!!
波を描くかの如く「音のうなり」の連続です。
それは、「與五郎りん」も「勘三郎りん」も同じです。
単調な真っ直ぐな音ではなく、
「ウワーン、ウワーン」と周期的な音の強弱を繰り返しながら鳴ります。
言葉で説明するのには、限界です!
是非、ご来店いただき音色を聞いてみて下さい。
葉っぱに続いて、ここでは書きませんが、
逸鳳りん最大の特徴を教えていただいています
それが、音に影響するらしいです
先輩後輩の関係って、ありがたいですね♬
秘密を教えてもらえるのですから
ご来店いただきましたお客様には、しっかりお話しさせていただきます。
私も先輩から、しっかりと手取り足取りレクチャーを受けておりますので
今回の「くすべ仕上げ」とは違い、もう1つ魅力的な色が出てるおりんもあるんです
そちらも合わせてご覧いただければと思います♬
このおりんに付きましては、また別の機会にてお話しできればと思います♬♬
お客様には、黒檀のりん棒台も合わせてお買上げいただきました。
おりんは、見た目のブラック、そして音色と余韻
正絹の布団とりん棒は、派手過ぎない落ち着いた色合いで統一
りん棒台は、おりんと同じ黒色
しっかりと纏まった印象があり、ご満足いただけました。
伝統的工芸品は、品質は超一流であることは当然ですが、お値段も超一流になってしまいます。
それ故に、ほとんどのお客様から敬遠されるのが事実です。
おりんだけでなく、お仏壇でも同じです。
時間を掛けて、手間を掛けて、そして気持ちを込めて。
伝統的工芸品とは、
商品の見た目だけでは決して見えない裏のストーリーで溢れています。
完成した物やその値段だけを見ていただくのではなく、
完成までに辿り着く物語にも是非目を向けてくださいませ。
お客様のお好みや予算が最優先されることは、承知しております。
でも、少しでも多くの方に共感と興味を持ってもらえればと思います。
これは、仏壇仏具だけでなく、他の伝統的工芸品でも同じことが言えます。
長く苦境が続く状況ではありますが、発信し続けなければなりません。
そして、こういう内容のブログを頻繁に書ければなぁと、自分に期待します(笑)
「おりん」のことで、ご不明な点やご希望などございましたらばご質問くださいませ。
些細なことでもかまいませんので何なりとお問い合わせください。
しっかりとサポートさせていただきます!
【お問い合わせ先】
ホームページからのお問い合わせはこちらからお願いいたします。
直通メールアドレス 0883@d2.dion.ne.jp からもご利用いただけます。
※返信にお時間がかかる場合もございます。
この度のお買上げ、誠にありがとうございました。
さて、めちゃくちゃ暑いですね
昨日、今年初めて半袖を着ました!
日中は少し動くだけでも汗が出てきますね
夏が苦手な私には、過ごしにくい毎日が続きそうです
その前に梅雨のジメジメした暑さが来ますので、憂鬱な時期となりそうです。
読者のみなさまにも、苦手な季節はございますか?
私は歯を食いしばって、秋冬まで耐え忍びます!
明日で5月も終わりです。
みなさまにとって、良き月末となりますことをご祈念申し上げます。
合掌
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