掛軸の丈を短く調整及び表装替えをご下命いただきました ~曹洞宗 三尊仏~

みなさま、おはようございます。6代目です。

加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

 

既存のお仏壇の大きさに合わせた掛軸をお持ちでした。

サイズは、丈75cm 軸巾29cm 金具巾32cm

なかなか大きなサイズの掛軸です💦

 

 

 

新しいお仏壇を購入されましたが、どうがんばっても入れることが出来ません。

先祖代々に渡り、ご家族様を守ってきてくださったご本尊様です。

継続してお祀りしたい!

なんとか入るようにしたい!

というお悩みを持って、当社へお越しいただきました。

 

 

 

お客様のご宗旨は、曹洞宗さんでした。

上の写真は、お仏壇にお祀りします3枚1組の曹洞宗の一般的な仏様です。

真ん中:釈迦如来

右:承陽大師(道元禅師)

左:常済大師(瑩山禅師)

この度、お客様がお持ちの掛軸は、上の写真のものでした。

釈迦如来・承陽大師(道元禅師)・常済大師(瑩山禅師)

一仏両祖の御影像を1副に収めた「三尊仏」という形式の掛軸です。

※写真の掛軸は、見本です。

 お客様の掛軸には、印や文字が入っております。

 お見せ出来ないため、見本で代用しました。

調整前 曹洞宗 三尊仏 表側

調整前 曹洞宗 三尊仏 裏側

丈75cm 軸巾29cm 金具巾32cmの大きな掛軸です。

絵像部分は、丈36cm 巾16cmになっております。

大きな傷や破れも見当たらず、良い状態でお祀りされていたことが垣間見えます。

 

 

強いて言いますと、裏側の軸部分の紙が欠損しているぐらいでした。

 

 

お釈迦様の両隣りには、墨書きが入っています。

承陽大師(道元禅師)と常済大師(瑩山禅師)の両祖の間には、印が押されています。

ボカシを入れていますので分かりにくくてすみません。

裏側にも印と墨書きが入っています。

昭和60年代に掛軸を迎えられた日付が入っています。

約40年近くお祀りされていたことが窺えます。

 

 

 

整理しますと、

掛軸寸法:丈75cm 軸巾29cm 金具巾32cm

絵像寸法:丈36cm 巾16cm

この掛軸を新しい仏壇に入るようにサイズを小さくしたい!!!

というご依頼です。

 

 

 

掛軸を置くための新しい仏壇の安置場所寸法が、高さ54cmあります。

既存掛軸の丈が75cmですので、丈を20cm近く縮めることが出来るのか?

ということにトライすることになります。

調整後 曹洞宗 三尊仏 表側

調整後 曹洞宗 三尊仏 裏側

短くしました調整後の写真です。

上手く短くなりました!

本紙は既存の物をそのまま使用していますので、サイズは変わっておりません。

 

 

 

調整前と調整後の掛軸サイズは、下記となります。

調整前 掛軸寸法:丈75cm 軸巾29cm 金具巾32cm

調整後 掛軸寸法:丈51cm 軸巾24cm 金具巾27cm

丈を短くしたことで、必然的に軸巾と金具巾も短くなりました。

調整前 曹洞宗 三尊仏 表側

丈75cm 軸巾29cm 金具巾32cm

調整後 曹洞宗 三尊仏 表側

丈51cm 軸巾24cm 金具巾27cm

調整前と調整後の比較写真です。

24cm短くしましたので、印象としては窮屈に見えてしまいますよね。

しかし、外縁・中縁の丈を短くしたことで、仏壇に入るようになりました。

外縁は、外周の紺地部分の裂地を指します。

中縁は、外縁と絵像の間を囲んでいる赤地部分の裂地を指します。

調整後 絵像部分

調整後 絵像部分

表側の絵像は、再利用しています。

調整前 絵像部分

調整後 絵像部分

絵像寸法は、丈36cm 巾16cmでした。

こちらは何も触れずにそのまま活用していますので、寸法は変わっておりません。

調整前

調整後

絵像部分のシミが、薄まりました。

これは、既存の絵像に裏打ちされていた紙を剥がす際に水を使います。

その際に、シミが抜け落ちた結果となります。

ブツブツの量が、少なくなっています。

 

 

 

裏側の墨文字は、載せ替えをしております。

既存の「裏書」を剥がし、載せ替えをしました。

新しく裏打ちされた真っ白の紙と色が異なっています。

この度は、載せ替えの手法で裏書きを残しました。

現物の掛軸を職人さんに見ていただいた上でのご提案です。

 

 

丈を短く調整するにあたり、既存の裂地は再利用しておりません。

末永くお祀りできるように、新しい裂地で表装させていただきました。

耐性が上がりますので。

 

 

 

商品名:曹洞宗 三尊仏 掛軸 丈の調整及び表装替え

仕 様:外縁 上金襴(紺)蓮華柄仕立

    中縁 上金襴(赤)富田雲柄仕立 

原産国:京都

サイズ:調整前表装 丈75,0cm 軸巾29cm 金具巾32cm

    調整後表装 丈51,0cm 軸巾24cm 金具巾27cm

    本紙 丈36,0cm 巾16,0cm

    ※調整前と調整後、変わらずです

お仏壇には、無事に収まっております。

上手く進められて良かったです。

 

 

 

丈を短くすることが至上命題でしたが、

表装を交換することで耐性を上げることも出来ました。

末永く、手を合わせていただけそうです。

 

 

 

掛軸の修理については、

「表装替え」のみを、これまではブログでご紹介しておりました。

床掛軸の表装替えをご下命いただきました その1-1 ~御曼荼羅~

床掛軸の表装替えをご下命いただきました その1-2 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その2ー1 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その2ー2 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その3 ~浄土真宗本願寺派阿弥陀如来~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その4 ~浄土真宗本願寺派阿弥陀如来 その2~

 

 

 

この度のように、「掛軸の丈を短くする」ということも出来ます。

既存の裂地をカットして短くするのではなく、

新しい裂地を使って既存の物より短寸で仕上げる

という手法です。

 

 

 

既存の裂地は経年劣化や裏打ちを剥がす際の影響で傷んでしまうことも考えられますので、

再利用しても製品寿命が長続きしない可能性も含まれます。

 

 

 

先祖代々に渡り、手を合わせてこられた大切な対象です。

また、ご家族を守ってこられた仏様でもあります。

容姿は変わってしまいますが、想いを紡ぎ、次代に繋げることは出来ます。

 

 

 

「掛軸の表装を替える」

「掛軸の丈を短くする」

そういう選択肢があることを、知っていただければ幸いです。

お悩み中の方が居られましたらば、お問い合わせくださいませ。

 

 

 

掛軸はもちろんのこと、床掛軸の修理をご検討中の方がおられましたならば、一度お問い合わせくださいませ。

職人が掛軸の状態をしっかりと見定め、最適の方法でご提案させていただきます。

些細なことでもかまいませんので、何なりとお問い合わせください。

【お問い合わせ先】

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<以下、関連ブログです>

床掛軸の表装替えをご下命いただきました その1-1 ~御曼荼羅~

床掛軸の表装替えをご下命いただきました その1-2 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その2ー1 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その2ー2 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その3 ~浄土真宗本願寺派阿弥陀如来~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その4 ~浄土真宗本願寺派阿弥陀如来 その2~

 

 

 

この度のご縁、誠にありがとうございました。

合掌

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