掛軸の表装替えをご下命いただきました その3 ~浄土真宗本願寺派阿弥陀如来~

みなさま、おはようございます。6代目です。

加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

 

浄土真宗本願寺派様用の掛軸修理のご依頼をいただきました。

お預かり時の状態を、まずはご覧ください。

寸法は、丈51cm 巾18cmです。

※金具は、巾に含まれていません。

真っ先に気付きますのが、下部分の断裂です。

残念ながら、真一文字に切れています。

上部分も、裂地が傷み、左上が欠落しています。

風帯も、両方切れています。

風帯の跡が、黒くなっています。

真ん中部分では、右側の裂地が断裂しています。

ちなみに、阿弥陀様部分の本紙寸法(ボカシ部分)は、丈19,6cm 巾9,6cmです。

指で捲ると、断裂箇所が良く分かると思います。

幸いにも、本紙は破れていません。

裏側です。

上の方に、ボカシを入れているのがお分かりでしょうか?

文字が入っておりまして、ご門主さまの法名が書かれています。

こちらの掛軸は、本山から授与された掛軸となります。

そのため、阿弥陀様と文字部分にはボカシを入れさせていただいています。

修理の内容ですが、

・表側の本紙(阿弥陀様)を現状維持

・外縁と中縁の裂地を新調

表側は上記内容で、表装の修理となります。

裂地の柄は、

外縁には、「小牡丹」と「小内桐」の2種類から選択

中縁には、「五七の桐」と「下り藤」の紋

※「五七の桐」と「下り藤」は、ここより先は「桐藤紋」と表記します。

※上金織の中縁のみ、「雲入り」と「雲無し」の2種類あります。

上記より選択いただきます。

 

 

 

次に、それぞれの柄には「本金織」と「上金織」のランクがございます。

「本金織」は、本金糸を織り込んだ生地です。

金箔が使われた糸が使われていますので、光沢が強くでています。

光に当たりますと、さらに輝きが増します!

また、金箔が使われていますので、輝きも長く維持されます。

 

 

 

「上金織」は、代用金糸(真鍮箔)を織り込んだ生地です。

金箔が使われてませんので、光沢も輝きも弱いです。

しかし、安価に仕上げられ本金織をイミテーションした見た目が上金織の特徴でもあります。

本金織に比べますと、時間的に早く黒ずんでしまうのが難点かもしれません。

また、本金織のように強い輝きを求められない方が、故意に上金織を選ばれることもございます。

 

 

 

つまり、下記4種類から選択していただきます。

① 外縁:本金織の小牡丹 中縁:本金織の桐藤紋入り

② 外縁:本金織の小内桐 中縁:本金織の桐藤紋入り

③ 外縁:上金織の小牡丹 中縁:上金織の桐藤紋入り

④ 外縁:上金織の小内桐 中縁:上金織の桐藤紋入り

※③④の中縁のみ、さらに「雲入り」と「雲無し」を選べます。

 

 

 

選ばれたのは、③番です。

小さな牡丹の花が可愛らしく、控えめな輝きの上金織に好印象を持っていただきました。

お客様には、裂地見本をご覧いただいて決めていただいています。

 

 

 

次に、裏側です。

「裏書を残してほしい」強いご要望がございました。

上の写真は見本となる事例ですが、既存の「裏書」を剥がし、載せ替えをしております。

※職人さんからのご厚意で、写真を貸していただきました。

したがって、載せ替えた裏書部分の紙の色が異なります。

この度の修理法では、載せ替えの手法で裏書きを残します。

一方で、既存掛軸に裏書が無い場合は、真っ白の仕上がりとなります。

 

 

 

現物の掛軸を職人さんに見ていただいた上での修理プランです。

お客様にも同意いただき、以上の内容で修理を行います。

それでは、修理後をご覧ください。

綺麗に表装し直していただけました。

風帯も戻りました。

中縁は、雲入りの桐藤紋を選ばれました。

金具も、ピカピカに輝いています!

阿弥陀様の部分を見せれないのが残念ですが、

本当に綺麗に仕上げていただいています。

裏側ですが、上で記載した通りに載せ替えをしております。

ボカシで見にくいですが、しっかり文字を残すことが出来ています。

左が修理前 右が修理後です。

職人さんに綺麗にお直ししていただけました。

いつもありがとうございます。

 

 

 

商品名:浄土真宗本願寺派 御本尊 掛軸 表装替え

仕 様:外縁 上金襴(紺)小牡丹柄仕立

    中縁 上金襴(赤)桐藤雲入り柄仕立 

原産国:京都

サイズ:表装 丈51cm 軸巾18cm 金具巾21cm

    本紙 丈19,6cm 巾9,6cm

 

 

 

お客様ですが、京都府外にお住みの方でした。

実は、お客様の菩提寺の住職様がネットで当店を見つけていただき、

それがご縁でお仕事をいただけました。

 

 

 

しかも、私の奥さんの実家があるところの方で、

奥さんの帰省に合わせて直接お渡しすることが出来ました。

お預かり時も、帰省に合わせて掛軸の引取りをしております。

 

 

 

先祖から続く大切な掛軸なので、荷物として送りたくない

という強い信念を持たれていましたが、運良く直接伺うことが出来ました。

ミラクルが重なったような連続でしたので、印象に残るお仕事となりました。

でも、時間は物凄くかかり、ご迷惑をおかけしました😓

 

 

 

「綺麗に仕上げてもらってありがとう」

直接お渡し出来たからこそ、お客様の反応をダイレクトに感じることが出来ました。

こちらこそ弊社を選んでいただき、とても嬉しかったです。

また、キューピッドになっていただきましたご住職様に深く御礼申し上げます。

 

 

 

春彼岸前にお渡し出来、きっとご先祖様にもお喜びいただけたのではないか??

そして、綺麗な御本尊様と共に、春彼岸の供養が出来たのではないか??

と、勝手に良いように妄想を膨らませております😀

本当に、そうあってほしいことを切に願います。

 

 

 

掛軸はもちろんのこと、床掛軸の修理をご検討中の方がおられましたならば、一度お問い合わせくださいませ。

職人が掛軸の状態をしっかりと見定め、最適の方法でご提案させていただきます。

些細なことでもかまいませんので、何なりとお問い合わせください。

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※返信にお時間がかかる場合もございます。

 

 

 

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<以下、関連ブログです>

床掛軸の表装替えをご下命いただきました その1-1 ~御曼荼羅~

床掛軸の表装替えをご下命いただきました その1-2 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その2ー1 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その2ー2 ~御曼荼羅~

 

 

 

この度のご縁、誠にありがとうございました。

 

 

 

さて、先週のブログで書きましたが、術後半年検査に行ってまいりました。

経過は良好で、骨折した部位も完全に戻っておりました。

一安心の結果に、力が抜けました(笑)

 

 

 

そして、新しい告知を受けました。

現在埋まっている金属のプレートとボルトを抜く手術についてです。

今年の秋に、再手術が決まりました。

 

 

 

完全体に向けて前進いたします!!!

入院期間は、2泊3日らしく、前回ほど大変そうにはならない予感です。

1回経験をしましたが、それでもやっぱり手術と聞くと緊張してしまいますよね💦

 

 

 

というわけで、秋頃に再びご迷惑をお掛けするかもしれません。

その際は、寛大な目でお許しいただければと思います。

半年後なので、まだまだ実感は湧きませんが。。。(笑)

 

 

 

4月最後の1週間です。

読者のみなさま、どうぞ素敵な月末をお過ごしくださいませ。

合掌

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