床掛軸の表装替えをご下命いただきました その1-2 ~御曼荼羅~

みなさま、おはようございます。6代目です。

加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

 

前回ブログでは、「床掛軸 修理前と修理後」の比較写真をご覧いただきました。

今回のブログでは、表装裂地の種類や修理工程をお話しいたします。

裂地は「きれじ」と読みます。

床軸名称.jpg

床掛軸の修理を始める前に、裂地を決めていただきます。

裂地は外縁と中縁の2ヶ所です。

裂地見本(唐草).jpg

<左:上金襴 中:本金襴 右:緞子織

裂地は「本金織・上金織・緞子織」の3種類ございます。

「本金織」は、本金糸を織り込んだ生地です。

「上金織」は、代用金糸(真鍮箔)を織り込んだ生地です。

「緞子織」は、金糸を使わない生地です。

本金襴裂地.JPG

<中:本金襴

本金織は金箔が使われた糸が使われていますので、光沢が強くでています。

光に当たりますと、さらに輝きが増します!

また、金箔が使われていますので、輝きも長く維持されます。

上金襴裂地.JPG

<左:上金襴

上金織は金が使われてませんので、光沢も輝きも弱いです。

しかし、安価に仕上げられ本金織をイミテーションした見た目が上金織の特徴でもあります。

本金織に比べますと、時間的に早く黒ずんでしまうのが難点かもしれません。

また、本金織のように強い輝きを求められない方が、故意に上金織を選ばれることもございます。

 

 

 

毎度のことですが、うまく写真が撮れていません。

本金襴の方が強く光沢を出していること、補足しておきます。

緞子織裂地.JPG

<右:緞子織

緞子織は、金糸を使いません。

ですので、仕上がりは控え目な印象になります。

3種類の中で、価格が一番お手頃にお仕立てすることが出来ます。

床軸名称.jpgのサムネイル画像

一番上の写真を、もう一度ご覧ください。

外縁がこげ茶色と記載していますが、元々の色は紺色だったそうです。

職人さんの目利きです。

 

 

 

ですので、この度の修理に当たり、

「初期の色として使われた紺色金襴」「色褪せた現在のごげ茶色緞子」

の2種類カラーでご提案しております。

 

 

 

お寺様が選ばれましたのは、上金襴です。

作られた当時の色が蘇る紺色です!

本紙のみ.jpg

まずは、本紙を切り取ります。

本紙以外.jpg

本紙が抜けた外縁と中縁です。

こちらは新調いたしますので、長年のお役目を終えられました。

汚れ取り.JPG

薄紙を載せてスプレーを掛け水分を含ませます。

表面の汚れを取る作業だそうです。

裏打ち除去.JPG

上の写真は、裏打ちを剥がされています。

文字を書いた紙だけでは強度がありませんので、

表装の際には「裏打ち」と呼ばれる補強用の紙が貼られます。

 

 

 

裏打ちは糊で取付けされますので、水でフヤかして剥がします。

デリケートな場所はピンセットを使い慎重に剥がされます。

紙当て_その1.JPG

黄色味を帯びた部分がございますが、

紙の欠落箇所に新しい紙を入れられています。

 

 

 

この新しい紙ですが、欠落箇所の輪郭をなぞるように作られます。

作成方法は、ハサミで切るのではなく指でちぎって作られます。

なんとも手先が細かいお仕事です!

紙当て_その2.jpg

白い筋がたくさん入っておりますが、

折り目が摩耗した箇所や破れた箇所に新しい紙を入れられています。

紙の強度が、さらに上がります。

裏打ち終了.jpg

本紙の修復が終了です♬

裏打ち終了.JPG

本紙の修理前と修理後の比較写真です。

元紙の耐久性を考慮し、薬品を使ってのシミ落としは行いませんでした。

しかし、お預かりした時点よりは、綺麗になりましたよね^^

元紙の欠落箇所もすべて埋まっております!

完成.jpg

上金欄の裂地を使いまして表装終了です。

本紙拡大_その1.JPG

本紙拡大_その2.JPG

本紙拡大_その3.JPG

外縁の上部に風帯も戻りました。

風帯は「ふうたい」と読みます。

先端から垂直に降りてきてる赤い帯のことです。

 

 

 

商品名:日蓮宗 御本尊御曼荼羅 床掛軸 表装替え

仕 様:上金織蓮華柄仕立 本紙欠落部分は新補

    金具はすべて新調   

原産国:京都

サイズ:お預かり時 丈60.5cm 巾39.8cm

    お仕立て時 丈64.3cm 巾40cm

 

 

 

昨年から今年にかけて仕立てていただきました床掛軸です。

年末年始を挟む慌ただしい中、そして東京出張前までに作製いただいた職人さんに感謝です!

 

 

 

修理工程の写真は、すべて職人さんに撮影いただきました。

作業の手を止めてしまい、すみませんでした。

しかし、記録できましたので嬉しいです。

ありがとうございました。

 

 

 

掛軸はもちろんのこと、床掛軸の修理をご検討中の方がおられましたならば、一度お問い合わせくださいませ。

職人が床掛軸の状態をしっかりと見定め、最適の方法でご提案させていただきます。

些細なことでもかまいませんので、何なりとお問い合わせください。

【お問い合わせ先】

ホームページからのお問い合わせはこちらからお願いいたします。

直通メールアドレス 0883@d2.dion.ne.jp からもご利用いただけます。

※返信にお時間がかかる場合もございます。

 

 

 

<以下、関連ブログです>

床掛軸の表装替えをご下命いただきました その1-1 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その2ー1 ~御曼荼羅~

掛軸の表装替えをご下命いただきました その2ー2 ~御曼荼羅~

 

 

この度のご注文、誠にありがとうございました。

 

 

 

さて、今週も外出自粛のストレス発散!?のために、

美味しいテイクアウトランチをいただきました。

 

 

 

今回はJCという会で、とてもお世話になりましたお店のご紹介です。

最初は、地鶏を使った「京の地鶏屋 晃」さんです。

原さん弁当_その1.JPG

チキン南蛮弁当!

原さん弁当_その2.JPG

親子丼!

白味噌とキャベツの入ったタルタルソースが必見です!

地鶏が美味しいのは言うまでもありません^^美味~~です!!

京のじどり屋 晃

京都市中京区御幸町通錦小路上ル船屋町398

 

 

 

続きましては、JCの会ではもちろんのこと、

京都展でもお世話になっている「まんざら亭 NISHIKI」さんです。

まんざら弁当.JPG

京都牛しぐれと出汁巻き弁当!

京都展でお弁当販売をされていますが、

いつも美味しそうだなぁと眺めていました(笑)

ようやく食することができ、大満足でした!!

まんざら亭 NISHIKI

〒604-8155

京都市中京区錦小路烏丸西入ル占出山町317

 

 

 

最後もやっぱりJCの会でお世話になりましたお店です。

「漬け野菜isoizm イソイズム」さんです。

五十棲弁当.JPG

自家製野菜が使われた「おかず」たっぷりのお弁当です!

コロナ太り邁進中の私にとって、ありがたいです(笑)

お味はもちろんのこと、ヘルシー志向の方にお勧めかもしれませんね^^

漬け野菜isoizm イソイズム

〒600-8219

京都市下京区中居町114 七条烏丸を西に50M

 

 

 

どれも本当に美味しいお弁当です!

決め手は「出来立て」をいただけるということです!

事前に連絡して「取りに行く時間」をお伝えしてくださいね^^

 

 

 

コロナ感染者の数字が少しづつ減ってきましたね。

日本国民全員が取組んでいる「外出自粛」の効果がでてる!!

と、嬉しく思っているのですが油断は禁物ですよね。

 

 

 

この調子が継続されますように!

そして、みなさまと同様に私も外出を引き続き控えたいと思います。

 

 

 

どんな環境下でも時間は過ぎていきます。

今日も新しい1週間が始まります。

我慢の連続ですが、みなさまにとって良き1週間となりますように!!

合掌

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