在家様用「過去帳」の修理をご下命いただきました! その3

みなさま、おはようございます。6代目です。

加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

 

弊社ブログをご覧いただき、昨年12月にメールでお問い合わせいただきました。

問合せメール.png

「一部破損(破れている)している場所の修理をして、もう一度使いたい」

というご希望を持たれ、御見積りのご依頼要請です。

プライベートな内容のため、ボカシ加工をたくさんしてあります。

ご理解くださいませ。

 

 

 

金額をご提示するにあたり、現品か現品の写真を見せていただくことになります。

過去の過去帳修理ブログでもお伝えしておりますが、現在の状態を把握しておきませんと、

「お客様のご希望を叶えられる・叶えられない」

の判断が出来ないからです。

そして、その判断をしてくれるのは職人さんです。

 

 

 

「おおよそで良いので教えて!」

と、尋ねてこられる方も居られます。

しかし、この場合は無責任なことを申し上げられませんので、お断りしております。

過去の事例を使い例え話としてはお話しできますが、

それぞれの過去帳により状態が異なりますので、どうしても現品か現品写真を見せていただくことになります。

 

 

 

という訳で、上記内容でお返事をいたしました。

その後音沙汰無しでしたので、お問合せだけだったかな~~っと思っていたのですが。。。

今年の6月に突然ご来店されました!!!

しかも、北海道からお越しです!!!

 

 

 

メールをいただきましたのが半年前でしたので、

来られたことに、まずはビックリcoldsweats01

北海道から来られたことで、さらにビックリcoldsweats01coldsweats01

くどいですが、本当にビックリしましたcoldsweats01coldsweats01coldsweats01

今年の6月は新型コロナウイルス感染症第6波と第7波の狭間でしたね。

 

 

 

お話していますと、

「メールを読んでから、早く京都に行きたい!」

「過去帳を早く診てもらいたい!」

「でも、コロナウイルス感染症が不安で出れないし。。。」

と、思っておられたそうです。

 

 

 

この半年の間に、地元の仏壇店さんにも行かれたそうですが、

良い返事をいただけなかったそうです。

そういう事情もあって、ヤキモキされておられたそうです。

 

 

 

お客様の行動力に感嘆です!!!

ご遠方からお越しいただき、ありがとうございました。

また、大切な過去帳を持ち出していただき、重ねて御礼申し上げます。

 

 

 

なんとか、お客様の期待に応えられれば!と願いながら、

過去帳を職人さんに渡し、修理「可能・不可能」の返事を待ちます。

結果、修理は可能ということで、良いお返事が出来ることに私も安堵いたしました!

なにせ、旅費を掛けて京都まで来ていただいていますからsweat01

無駄にならずに良かったですnote

 

 

 

職人さんに調べてもらっている間に北海道に戻られていましたので、電話でご報告♬

直ぐに、OKをいただけました♬♬

では、修理前と修理後の写真を交えながら、いつものようにお話していきますね♬♬♬

 

 

 

その前に、過去帳修理見積について補足です。

過去帳の現品をお持ちいただきましたが、現品の写真で進めることもできます。

ただし、こちらの場合では、

写真判断 ⇒ 現品判断

という手順でお調べさせていただきます。

 

 

 

① 写真で修理可能かどうか1回目の調査

② より詳しく調べるために現品を使った2回目の調査

2段階式でのご対応となります。

 

 

 

「過去帳を持って行くのは大変だしな~~」

「過去帳を持ちだしたくないしなぁ」

というお考えの方も居られると思います。

 

 

 

初めから現品を持って行くことに難色を示される方は、

まずは写真でお問い合わせくださいませ。

その際に、過去帳の寸法(丈・巾・厚み)もお知らせください。

 

 

 

写真判断で修理不可の場合でしたらば、持って行く労力を省けますからね。

京都から離れたお客様の場合でしたらば、交通費が無駄にもなりませんので。

 

 

 

修理可となった場合は、「現品を送っていただく」ことでも対応可能です。

もちろん、現品を持込いただいても大丈夫です。

 

 

 

「現品を預ける」ということに違いはないのですが、

修理をしっかり行うために避けては通れない道なんです。。。

修理金額も気になることだと思いますが、

現品を見せていただく方が正確な修理金額をご提示できます。

 

 

 

煩わしいかもしれませんが、

家の歴史を書き記した大切な過去帳ですので、どうしても慎重に進めざるを得ないです。

 

 

 

ちなみに、修理金額は新しい過去帳を数十冊は買える金額になります。

お客様の手前、金額を明記することはできません。

過去帳修理について何度かお問い合わせをいただいておりますが、

ほとんどの方が新品購入を選ばれています。

 

 

 

本ブログは長くなりますが、最後までお付き合いお願いいたします。

それでは、修理のお話しに戻ります。

表表紙.jpg

お預かりしました過去帳のサイズですが、

丈14,8cm 巾6,3cm 厚み2,1cmとなります。

裏表紙全体(表側).jpg

まず、メールに記載のありました裏表紙と中紙の破れに付いてです。

裏表紙は、完全に破れていますねdown

裏表紙下側破れ_その1.jpg裏表紙下側破れ_その2.jpg

下側のクローズアップ写真です。

「中紙」=「折り目部分」のことを指しておられていたのですが、

切れ込みの破れが確認できます。

今後、過去帳を開けたり閉めたりする消耗で、破れが進行していきそうです。

裏表紙上側破れ_その1.jpg

上側にも同様の症状がでております。

過去に行いました修理と同様に、

①折り目に部分裏打ち

②その上から全体裏打ち

の手順で直していきます。

当社では、「二重裏打ち」と呼んでいます。

裏表紙全体修理後(表側).jpg

2回の裏打で、上手く繋がりましたshine

裏表紙下側破れ修理後_その1.jpg

裏表紙下側破れ修理後_その2.jpg

裏表紙上側破れ_その1.jpg

バッチリですねsign03

破れた箇所に新しい紙を継ぎ足してから裏打ちするのではなく、

裏打ちの紙に載せて繋げるという方がイメージしやすいかと思います。

 

 

 

次に、表表紙側です。

表表紙全体(表側).jpg

パッと見は何ともないように見えるのですが、

表表紙下側破れ_その1.jpg

下側部分だけ破れが発生しておりました。

表表紙下側破れ修理後_その1.jpg

こちらも、裏表紙同様に裏打ち2回で繋ぎました。

 

 

 

目立って破れている場所は、実は上に挙げた箇所だけでした。

しかし、

「今後も長く使っていきたい」

「これ以上、破れる心配をしたくない」

ということで、すべての折り目に部分裏打ちと全体裏打ちをすることになりました。

過去帳見本_その1.JPG

過去帳は上から覗き込みますと、蛇腹式になっているのが分かると思います。

過去帳見本_その2.JPG

蛇腹なので、折り目に山側と谷側が作られます。

鉛筆で指している折り目は、谷側というわけです。

部分裏打ち.JPG

そして、山側と谷側の折り目に沿って、部分裏打ちをします。

裏打ち用の和紙をカットし、

1箇所ずつ根気強く貼っていきます。

上で「①折り目に部分裏打ち」と書きましたが、この作業のことを言います。

全体裏打ち.JPG

今後末永くお使いいただけるように、部分裏打ちの上にさらに和紙を貼ります。

これは、全ページに渡り裏打ちしますので、全体裏打ちと呼んでいます。

上で書きました「②その上から全体裏打ち」のことを指します。

二重裏打ち.JPG

2回の裏打ちで、1回目の部分裏打ちは隠れてしまうと思うかもしれませんが、

部分裏打ちの跡.jpg

うっすらと見えているんです♬

上の写真は、今回修理させていただいた過去帳の裏側を撮影しています。

青矢印が谷側、赤矢印が山側です。

過去帳厚み修理前(右).jpg

全部に渡り裏打ちを行なった証として、

過去帳厚み修理後(右).JPG

ドスン!!!っと膨らみましたsweat01

反り.png

ちなみに、お預かり時は表表紙・裏表紙ともに反っていましたが、

湿しを与えてプレスを掛けることで、反りを軽減させました。

過去帳厚み修理後(右下).JPG

撮影角度が合っていないので分かりにくいかもですが、

反りは無くなっています。

但し、時間の経過で再び反ってしまう可能性は含みます。

過去帳厚み修理後(左上).JPG

こちらは、対角線側から撮影したものです。

過去帳厚み修理後(地側).JPG

過去帳の下側アングルから撮影したものですが、

二重裏打ちの影響で右側に向かって膨らみの傾斜がついてしまいました。

こうなる可能性は、事前にお伝えしております。

 

 

 

過去帳を修理するにあたりまして、

「出来れば起こってほしくない。でも起こる可能性は含みます」

という予測を必ず伝えています。

 

 

 

今回の修理で言えば、「汚れは落ちません」ということも伝えています。

表表紙汚れ(表側).jpg

シミ(ブツブツ)が、大部分に渡り付いています。

特に「一日」のページでは、朱印の形でシミが出ています。

裏表紙汚れ(表側).jpg

裏表紙側の方にも、しっかりとシミは出ています。

表表紙と裏表紙近辺のページを写真で載せておりますが、

全ページに渡りシミが発生していました。

 

 

 

職人さんからは、

「残念ながら難しいです」

と、初見で指摘をいただいています。

表表紙汚れ修理後(表側).jpg裏表紙汚れ修理後(表側).jpg

修理後の写真ですが、やはり消えておりません。

表表紙汚れ(裏側).jpg

裏表紙汚れ(裏側).jpg

裏側の汚れも見てみましょう。

表側ほどシミは発生しておりませんが、朱印跡の部分はクッキリ出ていますねdown

表表紙汚れ修理後(裏側).jpg

裏表紙汚れ修理後(裏側).JPG

但し、裏側は裏打ちをしますので、

新しい紙を載せた効果で濃さが弱まりました。

 

 

 

次にご覧いただきたいのが、墨文字廻りの白さです。

膠のにじみ(表側).jpg

白くなっているのが、見えるでしょうか??

膠のにじみ(裏側).JPG

裏側からご覧いただきますと、見やすくなるのではないでしょうか?

 

 

 

この白くなっている原因ですが、

墨に含まれる「膠」という成分の影響で白くなっているそうです。

膠のにじみ修理後(表側).jpg膠のにじみ修理後(表側).jpg

修理後の写真ですが、白さは除去されていません。

修理前と修理後の写真に、あまり違いが見えないので同じ写真使ってない!?

と、感じられている読者様も居られるのでは!!??

 

 

 

良く目を凝らしてご覧いただくと、

左端の真ん中あたりの汚れが、薄まっていると思いますflair

修理が行われた何よりの証ですflairflair

 

 

 

以上のように、修理が難しいことを事前にお伝えしております。

お客様から託されました大切な過去帳です。

前もってお知らせすることで、安心をお届けできると考えます。

 

 

 

お客様には、

修理して使い続けたい・残していきたい

どうしても譲れない想いをお持ちでした。

 

 

 

最初にいただいたメールから推察するに、

お客様の過去帳には『形見』という面がありました。

 

 

 

だからこそ、大切に使い、大事に残しておきたい

ご先祖様や親御様を思えるオンリーワンの宝物という印象でした。

 

 

 

そういう背景があり、その大切な修理を受けてくださった職人さんに大感謝です。

過去のブログで紹介した修理をしていただいた方と同じ方です。

 

 

 

工房が京都にありますので、私は直接お会いして打合せをさせていただいております。

弊社にとって心強い職人さんであることは間違いないのですが、

お客様にとっては「ヒーロー」かもしれませんねup

 

 

 

新しく購入する方が手っ取り早く、安価に済みます。

しかしながら、今ある過去帳を、

どうしても使い続けたい

どうしても後世にまで残したい

そういうお気持ちのお客様もおられるかと思います。

 

 

 

そんなお客様のご期待に応えられるよう、職人さんとの懸け橋になろうと思います。

 

 

 

過去帳修理のことでご質問やご不明な点などございましたらば、

些細なことでもかまいませんので何なりとお問い合わせください。

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<以下、関連ブログです>

お寺様用「過去帳」の修理をご下命いただきました!

在家様用「過去帳」の修理をご下命いただきました! その1-1

在家様用「過去帳」の修理をご下命いただきました! その1-2

在家様用「過去帳」の修理をご下命いただきました! その2

キタアカリ_その1.jpg

ジャンジャジャーーーーン♬

 

 

 

お客様がお住いの地域で採れましたジャガイモを、ケースごと送っていただきました!

「キタアカリ」という品種だそうです。

 

 

 

実は、入院中に届きまして、退院後の楽しみが増えました♬

入院中は食べることばっかり考えていましたので、

本当に楽しみにしていましたup

 

 

 

じゃがバターで食べるのがお薦めと教えていただき、

退院後に早速に食べさせていただきました。

ホクホクで本当に美味しかったです。

ごちそうさまでした。

 

 

 

お仕事もいただき、ジャガイモまでいただきました。

貰いっぱなしで恐縮です。

この場をお借りしまして、改めて御礼申し上げます。

ありがとうございました。

そして、この度のご縁、誠にありがとうございました。

 

 

 

さて、昨晩はサッカー日本代表の試合でしたね。

ドイツ戦に勝ったこともあり、めちゃくちゃ期待していました♬

 

 

 

いつもより早く帰宅し、夕飯もお風呂も疾風怒濤でこなしました(笑)

不自由な身体の割には、過去最高のスピードだったと思います。

 

 

 

さてさて、試合は残念な結果になりました。

気持ちを切り替えて次のスペイン戦に向けてレッツゴー!です。

日本代表の選手の皆さんには、歓喜の結果を届けてほしいです♬

 

 

 

最終戦は、早朝4時のキックオフです。

気合を入れて起きます!

良い結果となることだけを願いながら。

合掌

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